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自分ルール

夏までに私が守らなければいけないルール

・期限までは、きちんと彼に向き合って今まで通り愛すること

・奥さんや子供の詮索をしないこと、なるべく考えないようにすること

・彼の精神的支えになれるよう努力すること

・嘘はつかないこと

・できる限り泣いたり暴れたり発狂したりしないこと

・少しでも貯金をする努力をすること

・仕事も適当に頑張ること(うつ病再発するようだったらすっぱりと辞めること)

・喧嘩したり自分が悪いことをしたらちゃんと謝ること

・言葉遣いを直す、部屋を綺麗に保つ(彼が言ったことを守る)こと



・彼がもし期限までに別れられなかったら、今度こそ本当に彼から離れること

・もし彼が離婚できたら、一生をかけて幸せにすること

恋が着せ、愛が脱がせる。

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ふと目に止まった、伊勢丹のキャッチコピー。

はっ、として、思わずマウスをスクロールする指が静かに止まった。

恋が着せる、

恋をしたことのある女の子なら、誰しも経験があるだろう。

「あの人は、どんな服が好きなのかな?」

姿見の前で服をとっかえひっかえ、 ああでもないこうでもないと、クローゼットから洋服を引っ張り出しては1人で夜な夜なファッションショーをする。
床に無造作にワンピースやスカートが散らかり始めたころ、やっと「これだ!」と、とっておきの勝負服が決まる。
散らかった部屋もなんのその、鏡の前でくるんとターンして、にっこり微笑む。

最強にかわいい私。 明日は決戦(デート)だ。

大好きなあの人のために、今まで史上「最高に可愛い私」に武装するための、ひとつの手段なのだ。




愛が脱がせる、


恋をして、いつか女の子は大人になる。

大好きなひとと結ばれるために、いつか服を脱ぐときが来る。

恋が愛となった今、2人を隔てるものは何一つないのだから。

女の子は服を脱ぐことで、愛を知るのだ。



「恋が着せ、愛が脱がせる」。



たった数文字なのに、恋をしたことのある女子ならダイレクトに胸に響くキャッチコピーなのではないだろうか。

好きな人のために、服を着る。 愛しているから、服を脱ぐ。 (ここには、「愛」がなければ脱がないわよ、という強い信念も感じる。)

恋と愛は似て非なるもの。

このキャッチコピーを目にしてから、 初めて彼が私を抱いた夜のことを何度も反芻してしまう。

ワンピースのボタンを襟元から少しずつ外していく彼の手を見つめ、緊張と恥じらいで息もできなかった瞬間。全てを露わにしたとき、彼がやさしく「綺麗だよ」と抱きしめてくれた瞬間。


まさしく恋が、愛に変わった瞬間。

darling

深夜二時。

私はいつものごとく眠ることが出来ずに、
布団を頭まで被って身体を丸める。
そうしてイヤフォンで音楽を小さく流して、
あのひとのことを考える。

イヤフォンからはあのひとの好きなアーティストの曲が流れていて、
胸焼けがするくらい甘ったるい言葉を、万人の心に訴えかけるような感動的なメロディーにのせて歌っている。
歌い手の声が少し掠れているところが、歌詞と中和されてちょうどいいのかもしれない。

今まではそんなに気にしていなかったこのアーティストを、あのひとと出逢ってから毎日聴くようになった。
歌詞の意味を、あのひとに重ねて聴くようになった。
そしてしまいには、ライブにまで行くようになってしまった。
(その理由の半分は彼に会うためだけれど。)


この優しいうたを、幸せな妄想とともに聴く。
目を瞑り、あのひとの声を、顔を思い出して。
隣にあのひとはいないけれど、私は幸せだ。

そうして幸せな妄想をしているうちに突然音楽が終わり、
私は現実の世界に引き戻される。


部屋の奥で、冷蔵庫のブーンという低い音が聞こえる。

心が底冷えして、また私は枕を濡らす。
泣きながら、叶うことのない夢を抱きながら、それでもあのひとに会いたいと思いながら、
今日も夢へと落ちていく。

悪い女ほど、清楚な服が似合う

林真理子著『更衣室で思い出したら、本当の恋だと思う』
なんとなく名前に惹かれて、小説の裏にあるあらすじを目で追ってみた。

「不倫をやめられない美容マニア」 

なんて言葉が目に入ったものだから、なんだか他人事ではない気がして、買わなくてもいいような本を買ってしまった。 

結論から言うと、まあ、なんとなく爽やかに軽快に、限りなくポジティブに物語は締めくくられていて私はがっかりしてしまった。 

だって、現実ってそんなに甘いものじゃないでしょ。 
もっと絶望的で、一縷の希望も見えないようなものが読みたかったなあ。とか思ってみる。 
奥さんへの嫉妬とか、煮え切らない態度の彼への怒りとか。 
私が執筆したとしたら、普通の恋愛小説じゃなくて泥沼恋愛ミステリー小説になっているか、犯罪者の独白本になっていただろう。 

ただ、主人公が彼のために年齢に抗って美に執着する姿や、ふとした瞬間に「奥さんと私、本当にかなしいのはどっちなんだろう」と考える姿は今の自分とよく重なる。超現実的。 

それから、男のずるさもよく描かれている。 
「嫁とは終わった」と言いつつ早10年、主人公には彼が奥さんと離婚することは毛頭ないと分かっていても、それでも会いに行ってしまう。 
あぁ〜、わかるよわかる、でも「いつ離婚するの?」なんて怖くて聞けないんだよね、答えは分かってるから。 
と、妙に共感してしまった自分もいたり。 

男はずるい。 

こうして言葉巧みに操られて、今日も私は彼のことを考える。 
きっと彼にとって、私は退屈な結婚生活のスパイスでしかないんだ。 

自分のことを好きな、手軽な若い女。 
背徳と刺激を味わって、退屈な日常から少しでもエスケープしたい男のための、取っ替えのきく代用品でしかないんだ。(あら、どこかで聞いたことある台詞) 

本気なのは私だけで、彼にとっては若くて従順なところが魅力なんだろう。所詮ただの火遊びでしかない。 

そうは理解していても、頭はつねに彼のことで一杯で、身体はいつ彼に抱かれてもいいように以前より磨かれ、足は彼に誘われれば真っ直ぐ向かってしまう。 

彼から向けられる言葉がいつか偽りになることが分かっていても、それでも今は信じたい。 
そう自分に言い聞かせて、瞼をそっととじてみる。 

脳裏には彼の大きな手や、広い背中や、優しい瞳が浮かぶ。 

次に会う時には、清楚で大人っぽいワンピースを着て、彼を驚かせよう。 


彼が見惚れてしまうような、いい女になって、後悔させてやるんだ。 

嗚呼無情

今。
私の頭の中にはこの四文字が浮かんでいる。
嗚呼無情。
昔の歌手が歌っていたなあ、アン・ルイス?だっけ。
通勤途中の中央線快速の中でそんな事を考える。
まだ起きていない頭で、無駄な思考を何百、何千と繰り返す。

本日は木曜日。
一週間のなかで、もっとも頑張りきれない曜日だ。
電車のドアが開く度、涼しい風が車内に吹き込んできて心地よい。
夏が終わり、秋が肌寒さと手を繋いでやってくる。


あの人は今何をしているのかしら。
ふとしたときに、声や、香りや、繋いだ手の感触を思い出す。
その度に私は年甲斐もなく、くらくらしてしまう。
恋に恋する女子高生じゃないんだから。
そう自嘲してみても、やっぱり頭から離れないのだ。


あの人には一生を誓ったひとがいるのに。
同じ家で暮らして、同じものを食べて、同じテレビ番組をみて、ああだこうだと感想を共有する、そんなひとがいるのに。
そんな事を想像すると、恋をする幸せを遥かに超えた負の感情が心を支配する。
どんなに私があの人を愛しても、あの人は帰る家がある。家庭がある。
私は奥さんには叶わない。
大国と発展途上国のようなパワーバランスだ。
(いや、私なんか発展さえしていないのかも。)

そんなことを考えていたら、いつの間にか西荻窪を通過していた。
今日も中央線快速下りはそこそこに混んでいて、私が座れることはほとんどない。

目の前の女はせわしなく化粧をしている。


家でしろ。

そんなことを言えるわけもなく、ただただ悲しみにも怒りにも似た感情が私を支配していく。


生きることは難しくて、不器用な私にはとんでもないミッションだ。
そんなネガティブな思考をしているほんの隙にも、あの人の笑った顔や声が浮かぶ。
ひとつひとつの仕草が、私の頭の中を支配する。
窓の外はさわやかな秋晴れで、私はあの人の住んでいるところも晴れているといいな、と心のなかで願ってみた。

ひとつ、ためいきをついて

嗚呼、無情。

終電を逃して床で眠る人 
誰も来ないコンビニのレジにいる人 
アドレス帳が消えてホッとしてる人
家から外に一歩も出られない人
靴を片方なくして裸足で歩く人 
血の付いた下着をお風呂で洗う人 
割れたグラスの破片を片付ける人 
もう二度と会いたくないと言えない人
鏡に映る化け物を見て泣く人 
ご飯をおいしく食べられない人 
電車に乗ると呼吸が苦しくなる人 
きれいなものを見ると悲しくなる人
楽しかった思い出が何もない人 
自分は特別だって言い聞かせてる人 
助けを求める声を無視する人 
もっと誰かに大切にされたい人
逃げる場所も帰る場所もない人 
痛みを感じなくなってしまった人 
まぶしい光を避けて日々を繋ぐ人 
夜には朝が朝には夜が怖い人


希望があります