無題
私は実は愛している
あなたの嘘と幻を
14cmになりました
嘘つき野郎は今日も幸せそうです
子供は愛せない
堕ろしたい
子供が生まれたらすぐ離婚できる
子供は抱っこしてない
子供の名前なんて考えてない
全部嘘
全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部
嘘つき
迎えにきてくれると思ったのに
許さない
笑う
ストーリー子どもばっっっっかりですね
すっかり子煩悩パパですね。
ワロタ
無題
何者にもなれないわたし。
恋が着せ、愛が脱がせる。
はっ、として、思わずマウスをスクロールする指が静かに止まった。
恋が着せる、
恋をしたことのある女の子なら、誰しも経験があるだろう。
「あの人は、どんな服が好きなのかな?」
姿見の前で服をとっかえひっかえ、
ああでもないこうでもないと、クローゼットから洋服を引っ張り出しては1人で夜な夜なファッションショーをする。
床に無造作にワンピースやスカートが散らかり始めたころ、やっと「これだ!」と、とっておきの勝負服が決まる。
散らかった部屋もなんのその、鏡の前でくるんとターンして、にっこり微笑む。
最強にかわいい私。
明日は決戦(デート)だ。
大好きなあの人のために、今まで史上「最高に可愛い私」に武装するための、ひとつの手段なのだ。
愛が脱がせる、
恋をして、いつか女の子は大人になる。
大好きなひとと結ばれるために、いつか服を脱ぐときが来る。
恋が愛となった今、2人を隔てるものは何一つないのだから。
女の子は服を脱ぐことで、愛を知るのだ。
「恋が着せ、愛が脱がせる」。
たった数文字なのに、恋をしたことのある女子ならダイレクトに胸に響くキャッチコピーなのではないだろうか。
好きな人のために、服を着る。
愛しているから、服を脱ぐ。
(ここには、「愛」がなければ脱がないわよ、という強い信念も感じる。)
恋と愛は似て非なるもの。
このキャッチコピーを目にしてから、
初めて彼が私を抱いた夜のことを何度も反芻してしまう。
ワンピースのボタンを襟元から少しずつ外していく彼の手を見つめ、緊張と恥じらいで息もできなかった瞬間。全てを露わにしたとき、彼がやさしく「綺麗だよ」と抱きしめてくれた瞬間。
まさしく恋が、愛に変わった瞬間。
darling
深夜二時。
私はいつものごとく眠ることが出来ずに、
布団を頭まで被って身体を丸める。
そうしてイヤフォンで音楽を小さく流して、
あのひとのことを考える。
イヤフォンからはあのひとの好きなアーティストの曲が流れていて、
胸焼けがするくらい甘ったるい言葉を、万人の心に訴えかけるような感動的なメロディーにのせて歌っている。
歌い手の声が少し掠れているところが、歌詞と中和されてちょうどいいのかもしれない。
今まではそんなに気にしていなかったこのアーティストを、あのひとと出逢ってから毎日聴くようになった。
歌詞の意味を、あのひとに重ねて聴くようになった。
そしてしまいには、ライブにまで行くようになってしまった。
(その理由の半分は彼に会うためだけれど。)
この優しいうたを、幸せな妄想とともに聴く。
目を瞑り、あのひとの声を、顔を思い出して。
隣にあのひとはいないけれど、私は幸せだ。
そうして幸せな妄想をしているうちに突然音楽が終わり、
私は現実の世界に引き戻される。
部屋の奥で、冷蔵庫のブーンという低い音が聞こえる。
心が底冷えして、また私は枕を濡らす。
泣きながら、叶うことのない夢を抱きながら、それでもあのひとに会いたいと思いながら、
今日も夢へと落ちていく。
悪い女ほど、清楚な服が似合う
林真理子著『更衣室で思い出したら、本当の恋だと思う』
なんとなく名前に惹かれて、小説の裏にあるあらすじを目で追ってみた。
「不倫をやめられない美容マニア」
なんて言葉が目に入ったものだから、なんだか他人事ではない気がして、買わなくてもいいような本を買ってしまった。
結論から言うと、まあ、なんとなく爽やかに軽快に、限りなくポジティブに物語は締めくくられていて私はがっかりしてしまった。
だって、現実ってそんなに甘いものじゃないでしょ。
もっと絶望的で、一縷の希望も見えないようなものが読みたかったなあ。とか思ってみる。
奥さんへの嫉妬とか、煮え切らない態度の彼への怒りとか。
私が執筆したとしたら、普通の恋愛小説じゃなくて泥沼恋愛ミステリー小説になっているか、犯罪者の独白本になっていただろう。
ただ、主人公が彼のために年齢に抗って美に執着する姿や、ふとした瞬間に「奥さんと私、本当にかなしいのはどっちなんだろう」と考える姿は今の自分とよく重なる。超現実的。
それから、男のずるさもよく描かれている。
「嫁とは終わった」と言いつつ早10年、主人公には彼が奥さんと離婚することは毛頭ないと分かっていても、それでも会いに行ってしまう。
あぁ〜、わかるよわかる、でも「いつ離婚するの?」なんて怖くて聞けないんだよね、答えは分かってるから。
と、妙に共感してしまった自分もいたり。
男はずるい。
こうして言葉巧みに操られて、今日も私は彼のことを考える。
きっと彼にとって、私は退屈な結婚生活のスパイスでしかないんだ。
自分のことを好きな、手軽な若い女。
背徳と刺激を味わって、退屈な日常から少しでもエスケープしたい男のための、取っ替えのきく代用品でしかないんだ。(あら、どこかで聞いたことある台詞)
本気なのは私だけで、彼にとっては若くて従順なところが魅力なんだろう。所詮ただの火遊びでしかない。
そうは理解していても、頭はつねに彼のことで一杯で、身体はいつ彼に抱かれてもいいように以前より磨かれ、足は彼に誘われれば真っ直ぐ向かってしまう。
彼から向けられる言葉がいつか偽りになることが分かっていても、それでも今は信じたい。
そう自分に言い聞かせて、瞼をそっととじてみる。
脳裏には彼の大きな手や、広い背中や、優しい瞳が浮かぶ。
次に会う時には、清楚で大人っぽいワンピースを着て、彼を驚かせよう。
彼が見惚れてしまうような、いい女になって、後悔させてやるんだ。