愛しさを自分の中に閉じ込めるたびに、憎しみ悲しみ切なさが入り混じった感情がふつふつと腹の底に現れる。

「彼氏とはどう?」「結婚は考えてるの?」

なんて夕飯を食べながら先輩の前でわざと後輩に聞いてみたりして。

「ぼちぼちですよ、もう結婚したいんですけどね」

ハイ80点の回答。先輩の顔は見ない。先輩は何も言わない。目の端で箸が一瞬止まったようにも見えたけど気にしないで私は続ける。

「え~!結婚式するときは呼んでね!」

「もちろんです!宮下さんも先輩も呼びますよ~」

100点満点の回答ありがとう。拍手喝采

先輩はどんな顔をしているだろうか。どんな気分だろうか。ねえ悲しい?さみしい?辛い?どんな気持ち?

言いようのない泥のような感情がまとわりつく。もっと傷つけ。

愛情が方向性を見失って、私の中で暴力的な感情に変化する。最低だとは思うけれどやめられない。

好きが嫌いになりまた好きになる、それを飽きもせず延々と繰り返し自嘲的になる。馬鹿だと思う。いつになったらやめられるのだろう。