うっすら部屋が青白くて、あぁ朝だな、なんてぼんやり思って。私はあえて先輩に背を向けて寝ていたけれど、すぐ後ろで先輩の寝息が聞こえる。身体こそ触れてないけれど、あたたかい人の気配がする。カーテンの隙間から日が差して、きっと外は晴れてるんだろうなって思った。このまま寝返ったら、先輩の寝顔が目の前にあるんだろう。きっと長い睫毛に縁取られた目はとじられていて、整った鼻ときれいな肌にうっとりとしてしまうんだろうな。すぐ後ろにいるのに、振り向いたら愛しさが溢れてしまうから、私は妄想で先輩の輪郭を描くことしかできない。時計の規則的なリズムと、カーテンの隙間の朝日できらきら光る埃、私の後ろの静かな寝息。

きっとこんな孤独な朝ってない。

きっとこの人は手に入らない。